後見支援員として、毎月定期訪問しているAさん。
昨年の10月に発熱が原因で施設から病院に入院しています。
Aさんの状態は、特に異常はなく落ち着いているとはいうものの
ほとんど眠っている状態で、声掛けにもほとんど反応してくれません。
前回の訪問時も同じような状態でした。
先月初旬が誕生日だったので、
「誕生日おめでとう」と元気づけようと思っていたのですが、
残念でした。
Aさんは、社会福祉協議会が法定後見人になっていて
被後見人という立場です。
私は昨年の1月、前任者からの引継ぎで始まり、丁度1年です。
その時も、感染症対策のために施設は面会禁止でした。
そしてまた、先月訪問した翌々日から感染症対策のため
当分の間、面会禁止になります、と看護師さんから伝えられました。
コロナやインフルエンザが感染拡大してきているからです。
想いを叶えたいのなら

成年後見制度については、問題点や課題も多いということで
利用者が増えないと言われていますが、
Aさんのような「おひとり様」にとっては、なくてはならない
制度だと思います。
身寄りもなく、ひとり暮らしの状況で、
認知症が発症してしまったが、
運よく、後見制度を利用できたAさん。
法定後見制度には、判断能力の「不十分」に応じて
「補助」「保佐」「後見」の3種類の制度があります。
Aさんは、判断能力が欠けているのが通常の状態のため
「後見」にあてはまります。
本人の権利を守るための制度ではありますが、
判断能力が不十分になってからということは、
本人の意思を反映させるのも難しい中での支援です。
とは言え、少しでも本人の意思を尊重したいと思い、
訪問時の会話ができるときは、できるだけ色々な話を
聴くようにしていたので、面会禁止は大変残念です。
2022年時点で、成年後見制度を利用している人は約25万人に過ぎず、
潜在的な後見ニーズのわずか2%に過ぎないと言われています。
65歳以上では、5人に1人が認知症になると言われているのに。
対策は他にもあるとはいえ、備えをしていない人が多いのが現状です。
「自分だけは大丈夫と思っているのでしょうか?」
裁判所に、法定後見の申し立てをすると、
自分のことを知らない専門職の方々が選任されることが多くなります。
もし、あなたが自分のお金の使い道を考えていたとしても、
どんな風に人生を楽しもうと思っていたとしても、
自分の意思を伝えられない状況(認知症だけではなく、事故もありえます)
になってしまったら、
その意志を叶えることはできません。
例えば、
「こんな施設に入りたいな」
「認知症になっても旅行したいな」
「お世話になった○○に寄付したいな」等の
想いがあっても伝わりません。
自分の意思を叶えたいのであれば備えをしておくことが大切です。
自分らしく生きるために。
成年後見制度には「任意後見制度」と言う制度もあります。
これは、元気なうちに支援してほしい人を決め、支援内容を
伝えておくことができる制度です。
判断能力が低下して支援が必要になった時、
あなたの意思・考え方をよく理解してくれている人に
支援を頼めるのです。