成年後見制度の見直しに向けた議論が進んでいます。と
新聞記事になっていました。
あなたは、成年後見制度というものをご存知ですか?
聞いたことはあるかもしれませんね。
簡単に言うと、認知症や知的障害など
判断能力が不十分な人に代わり、
家庭裁判所が選んだ後見人が
財産管理や生活支援を行う制度です。
おひとり様だけが対象ではありません。
2000年に、介護保険制度と共に導入され、
高齢社会を支える制度として、期待されたのですが、
制度の使いづらさがあり、利用者が伸び悩んでいるのです。
認知症患者数が推計600万人まで増えたのに、
利用者は約25万人にとどまっていると言います。
何が問題なの?
問題の一つとして、一度後見人が選任されると、途中交代や
本人が亡くなるまで解任することができず、
毎月の後見人の報酬を払い続けなければいけない等の
デメリットがあるのです。
本来は、本人の意思を尊重し、生活の様子を確認しながら
必要な支出や契約をすることになっています。
しかし、実際の後見人の業務は、財産管理に重きが置かれる傾向にあり
日常生活の支援に十分に対応できていないといった
課題があったのです。
今回の見直しでは、後見人に一定の任期を設けたり、
必要な場面で「特別代理人」となるような
本人や家族が必要な時に制度を利用できるように
することを目指しているようです。
後見人のなり手不足も課題です
後見人は、専門職(弁護士、司法書士等)や家族・親族の中から
家庭裁判所が、本人にとって最も適任だと思われる人を
選任します。
親族がいなかったり、遠方に住んでいたりで、
支援を受けづらい人も多いようです。
市民後見人制度というものもあります。
自治体が研修を実施し、地域に住んでいる市民が
後見人になるのです。
その地域に住んでいる特性を生かし、
寄り添った対応が可能になるのです。
自分の意思を大切にしたい
本人のことを理解していない人が後見人になっても
被後見人としては、本望ではないと思います。
私は、自分の意思を理解してくれている人に
サポートしてほしいと思っています。
そのためには、元気なうちに準備をしないと
いけないのです。
自分で、もしもの時の後見人を選べる仕組みがあるのです。
任意後見制度というものがあります。
自分の意思を大切に、自分らしく生きていくために。
元気なうちに、自分の意思を理解してくれる人に
いざという時に後見人になってもらえるように
委任契約ができるのです。
大切な選択肢の一つです。
利用者の立場になって!
今の制度は、見守る側の都合が優先され、
費用負担の考え方においても、
見守る側の都合でしかないように思えます。
本当に困っている側には気持ちが行っていない。
日常生活の支援は、疎かにされているように感じます。
単なる財産管理すればいいような制度に思えてしまいます。
この様な制度への不安が、
おひとり様である私が、
この仕事にかかわろうと思ったきっかけです。
私たちおひとり様にとっては、
家族のように頼れる存在が必要なのです。