コロナ禍等を背景に、直葬などの簡素な葬儀が広がってきていると聞いていましたが、
「弔い直し」ということが行われているようです。
弔い直し・・・・・一度葬儀を終えたのに弔いの儀式をやり直すこと。
コロナ禍の感染拡大防止のため、葬儀の縮小化が加速され、定着して行くかのようでしたが、
新聞記事によると、新たな様式が行われているようです。
例えば、夫を亡くした妻が、夫が生前「葬儀も墓もいらない」と話していたので、コロナ禍もあり
通夜も葬儀もない「直葬」を行った。その後、手元に残った遺骨に手を合わせるうちに
「寂しい旅立ちをさせてしまった」と自責の念に苛まれてしまい、
「気持ちの整理がつかない」「納得がいかない」と言う理由で、遺された兄弟姉妹と共に、
お寺でお経をあげてもらい、永代供養墓に納めたと言うことです。
そして、「夫も満足しているはず、自分自身もけじめがついて心の整理ができた」とホッとしたようです。
このように、故人を弔い直す人が増えていて、「再葬」「骨葬」と呼ばれるようです。
その他にも、「追悼葬」「お友達葬」「お別れ会」「後日葬」等々
葬儀って?
そもそも、葬儀は何のために誰のために行うことなのか?
夫は「葬儀も墓もいらない」と意思表示していたのに、なぜ「弔い直し」をしたのか?
やっぱり葬儀は、遺された人のための儀式なのか。
ただこの事例は、子供のいない夫婦の終末期の意思の疎通が不足していたのではないか。
夫の「葬儀も墓もいらない」と言う一言は、日常会話の中で何気なく出た言葉で、
たまたまその一言を覚えていた妻が、いい意味で本人の意思を尊重したことなのだと思う。
夫の死に直面しコロナ禍もあり、簡素にという思いが先に立って、
他の大切なことを見逃してしまったのかと思う。
葬儀は、人の死を受け止め、悲しい気持ちを立て直す役割を果たしていた。
葬儀が終わったから、すぐに気持ちが切り替えられるわけではなく、その後の49日法要をはじめ
徐々に気持ちの整理がついて行くものかと思う。自分の経験上でもそう思う。
覚悟はできていたつもりでも、半年ぐらいたって
改めて「本当に居なくなってしまったんだ」と実感した覚えがあります。
事前準備が大切
人生のうちに何回もあることではないので、戸惑うことが当然かもしれません。
だからこそ、周りの人の話を聞いたり、身近で信頼できる人がいれば話し合ったり相談することが大切。
誰にも絶対に訪れることなので、忌み嫌ったり先延ばしにすることなく取り組むべきです。
特に、おひとり様の場合は自分の意思を表明して、具体的に託す人との準備が必須です。